甲田守の『根こそぎ掘りデー』第5回  南台ハイツ死ね

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

漸く引越しが完了した。

何でこんな部屋に住んでいたのか。片付け終わった住処を見てウンザリする。

8年ですよ、8年。ここ南台ハイツに越して来て8年。正確に記すなら東京都中野区南台4-65-7南台ハイツ203号室に越して来て8年。いやはや本当にこの東京都中野区南台4-65-7南台ハイツは凄いところだった。

住んでいた時は何も気づかなかったのだが新居に越してから気付く。南台ハイツのダメなところに。

南台ハイツ。風通し❌、日当たり❌、もちろん風呂なしでそして住んでいるのは自分だけ。203しか埋まっていない。

結局引越ししたのも南台ハイツが取り壊されることになるからで、いやあんなところは取り壊さなきゃいかん、早急にぶっ壊せ!

自分の住み方に問題がなかったとは言えない。汚い暮らしぶりをしていたことは否定しません。それでもやはりあそこはキツイわ。南台ハイツはキツイ、キツすぎる。

8年よくぞ耐えた。あそこがヤバいところだと気づけなかった自分は完全に麻痺していたと言える。

8年間とんでもないやつと付き合っていたわけだ。南台ハイツは化け物、地獄、絶望、死死死…。

生きててよかった。本当に良かった。

32年間生きてきましたが衣食住の『住』の大切さに気づきました。

ハウジングファーストっていう考え方があってほんと住むところっていうのは大事だよ。

悲しいかな、住むところが劣悪になって路上生活になればなかなか元の状態には戻って来られない。


自己責任の一言で片付けるなよクソが!

というわけでなんだかまとまりがないが、住むところはあったもののクソな家と別れれてクソすっきりしたわ、このクソ南台ハイツが!ってな感じです。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』第4回 「 クエンティン・タランティーノ、ポール・バーホーベン 、小野光洋ですよ」

頗る体調が悪い。新宿コントレックスVol.16が終わってからというもの、どうも優れない日々が続く。珍しくもまず喉がやられた。連日の暑さで夏バテも加わる。横になってもなかなか回復の兆しは見えない。見えなかったのだが、前々回掘りデーしたコアラさんに相談したところ、どうやら今現在暮らすこの家に問題があることに気づかされた。外より熱いこの部屋で休んだところで体調が良くなるはずはないのである。昼でも電気を点けなければならないこの部屋の風通しは最悪。今回掘りデーしたこの男ならここのことをこう名付けるだろう、『絶望部屋』と。
それでは参りましょうか、甲田守の『根こそぎ掘りデー』スタートです!

 

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

 

午前8時半出発。集合時刻がだいたいが10時か10時半(早い時は9時もあるが)なのでこれぐらいで間に合う。電車で約1時間半、長い道のりです。

道中決まって読むのは前日もしくは当日に送られてくる脚本。分量はその日の撮影分のみ。クランクイン時に脱稿していることは100パーセントありません。

今日の撮影のロケ地はどこか。おそらく千葉大学西千葉キャンパス内がワンシーン、いや数シーン含まれることは容易に想像できる。

集合場所は千葉大学西千葉キャンパスのとある部室。サークル会館というこの古ぼけた建物の一階にその部屋はある。今までに幾度訪れたことか。また今日も小野映画の撮影が始まる。

小野映画自体が始まったのは遡ること三十数年前の1980年代。小野監督高校生の時分である。
ここで「監督」にならなければ…。

1985年千葉大学入学。僕が生まれた年に監督はあの部屋に入室していたのだろう。
ぞっとしますね。

本日クランクインする映画のタイトルは『さよならミケ(仮)』。部室によく来訪していた猫、ミケの追悼映画となります。僕が在学していた頃もよくミケは部室に来ていました。動物が苦手だった僕ですがミケはそんな僕にも良く懐いてくれて非常に嬉しかったのでした。

部室に到着。その部の名称、いやサークルの名称はCinemount Film Party、千葉大を拠点にする自主映画サークルです。

「おはようございまーす」

お久しぶりです、というわけでもなく上映会やら何なりで2ヶ月に一回はお会いするという頻度。まあ結構久しぶりとも言える。

さっそく本日分の脚本が手渡される、データではなく紙で。

本日の出演者は僕と部員の横山くんの2人です。ロケ地は案の定大学構内、と西千葉公園。

「小野さーん、ワンパターンですよー!」

「いや、大学は自分のスタジオみたいなものだから」

おおぅ、スタジオときたか。この方にとってはスタジオみたいなものか。確かに小野さんよりここを知り抜いている人はいない。

横山くんが部室に到着しました。それでは第1のロケ地工学部棟の方に向かうことと致しましょう。

室内撮影ですので照明が必要です。2灯持っていきましょう。あとマイクを入れてと。そしてもちろんカメラですね。今日も潤沢なスタッフを従えて撮影ができるなんてまるで夢のよう。よいしょ、よいしょ、どっこしいょ。小野さん、こんなに機材自転車に載りますか、そんなに持って大丈夫ですか、まぁスタッフが潤沢だから仕方がないか、横山くんも大変そう、さあ現地に向かうぞー、あっ、カゴがとれそう…。

工学部棟到着。撮影場所のすぐ横では授業が進行している。のでここでの撮影は中止。まさかこんな初っ端から頓挫してしまうとは、うわぁ参った、もうこのシーンは今日は撮れないよぅ〜、などとは小野監督の頭には浮かぶはずもない。現場で何がおころうと撮る!場所が使えなかったら?場所を変えて撮る!いやけどさすがにキャストが来なかったら無理ですよね〜?脚本変えて撮る!

撮る!撮る!撮る!

呼吸をするように映画を撮る!

比喩でも何でもないんだ。この人は映画を撮らなければ死んでしまうのです。

ああ、恐ろしい人と出会ってしまった…。

ああ、面白い人と出会ってしまった…。

ここでアガリスクエンターテイメントと小野さんの関係を少し挿入。

小野さんは文章を書く。映評から劇評はもちろんのこと恋愛譚?は赤裸々に誹謗中傷は果て知らず。巧みな文を綴ります。映評、劇評は基本的には辛口です(他の人が甘口過ぎるのかもしれませんが…)。そこがとてもいいのです。で、そんな小野さんですがアガリスクエンターテイメント劇団員の淺越岳人がCinemount Film Partyにも在籍していた関係でアガリスク初期の作品を多く観劇している。もしかしたら旗揚げ公演も観ているのかもしれない。『ナイゲン』の初演ももちろん観ているわけでこんな劇評を小野さんは残しているのだ。あげてみよう。

「十二人の優しい日本人」を思わせるディスカッション・コメディー。
‘会議は踊る’のパターンの群像劇だ。
どうでもいい問題の重箱の隅をネチネチつついたり、規約にあまりに忠実すぎたりするバカバカしさ。

脚本がなかなかよくできている。笑うべきところで笑える。
‘民主主義’や‘法令遵守’に対するアイロニカルな視点が効いている。
それでいて、‘三人集まれば文殊の知恵’的に、肯定的視点でしめくくるのも的を得ている。
「会議」には、いい面も悪い面もあるのだ。

一方で無駄と思える展開もそこかしこに見受けられ、正直上演時間2時間は長い。
せっかくだから、脚本を換骨奪胎し、演技面の練度も上げて、再演に挑んではどうだろう。
なんだかもったいない。

それにしても、高校時代は文化祭に意味なく燃えたものだ。
あの頃は、何でも楽しんでやろうという気概に溢れていた。
そんなことも思い出させてくれる芝居だった。
(自主映画監督 小野光洋)

さらに小野さんについて知りたい方はこちらのモリエンテスラジオをどうぞ。
今回のブログのタイトルは淺越岳人の発言より拝借致しました。必聴です。

さらにさらに知りたい方は上映会へ是非とも足をお運びください。

【Cinemount Film Party第57回定期上映会】

8/11(山の日)14:00~。年に2回開催するシネマウント主催の単独上映会。4~8月に完成した全作品(10本前後)を上映します。会場は東京・町屋の「ムーブ町屋」。
入場無料。途中入退場自由。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』第3回 熊谷有芳と行く久しぶりの野球観戦。(後編)

彼女はとても聡明な方です。そこが僕の、彼女の好きなところです。

ロッテファンである彼女はチケットの手配も慣れたものであるからして僕が入る余地はありません。待ち合わせの時間、場所はもちろんのこと、ひいてはおやつは300円までですよー、とまで決めてくれる…かもしれない…。

実際には、スタジアム内での飲食物は高いので予め持って行った方がいいよー、との情報を事前にくれている。心配りが行き届いているのだ。

普段は待ち合わせに遅刻することもない僕ですが、あまりの安心感からかいくらか時間を過ぎてしまった。スタジアムに向かう人波にのまれたせいもありますが…。

思った通り、彼女はすでに待っていた。彼女も普段から待ち合わせにはあまり遅れることがない人である。そこもまた僕の、彼女の好きなところです。

自転車に跨ってすでにロッテのユニフォームを着込んでいる勇ましい姿の彼女。帽子を横ちょに被ればまた様になるのが彼女である。

ユニフォームは自分の分だけ?そんなエゴイスティックな人物像を彼女に描いてはならない。そして当然ながらこの場面において自分だけユニフォームを着用していることは全くエゴイスティックには当たらない。ここで僕の分まで余分に用意していることの方がアンビリーバブルな事態なのだ。

しかし彼女にとってはこれがノーマル。そして合流した時点では僕にユニフォームは手渡されない。スタジアムに入ってこれここぞの瞬間にユニフォームの着用を促される。もちろん強要ではない。試合を一緒に楽しみませんか、との一見さんにも優しいアプローチなのである。

考えてみればこのユニフォームは本日の衣装だ。そして彼女はアガリスクエンターテイメントの衣装担当なのだ。

みなさん、アガリスクエンターテイメントの衣装を舐めるでないぞよ!それでは甲田守の『根こそぎ掘りデー』スタートです。


甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?
休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。


彼女はとても聡明な方です。そしてビールがとても好き。

スタジアム内に缶を持ち込むことはできないようなので、入り口にて事前に買っておいたビールを紙コップへと注ぎかえます。


泡が立ってなかなかに苦戦している様子。なんでも卒なくこなす彼女にも苦手なことはあるようです。

試合が始まるまでまだ時間に余裕がありますのでスタジアム内をぐるーっと回ることにしました。

先導する彼女は頼もしく、各所を案内してくれます。

話は逸れるのですが、僕は学問を大いに信頼しているところがあり、彼女の聡明さはそこのところで自分と相通ずるところがあるのかもしれません。

具体的にそのような学問について話題に上がることはありませんでしたが、彼女は大学では演劇を専攻していたとのことなので、いつかはそんな話にトライできたらまた彼女の世界に一歩踏み込むことができるのかもしれません。

トライと書きましたが彼女はおそらく英語も堪能なように思われる。あくまで今は思われるという段階でなかなか彼女もその本領を明かしてはくれない。能ある鷹は爪を隠す、というやつだ。

彼女の横に座る。観戦する。

僕はあまり野球に精通しているわけではない。ルールぐらいならある程度は知っているが選手やチームについての知識はからっきしである。

彼女はファンであるロッテに限らず対戦相手の楽天のことにも詳しい。何でも知っている。

僕は結構うるさかった。気になったことは色々と喋っては聞いてしまう。それは少し一方的であったかもしれない。

ロッテファンである彼女からしてみれば、またロッテ戦を観に来て欲しい、スタジアムに来て欲しいとの想いが強くなるのは当然であろう。けれど、彼女の会話はファンの立場の一方通行からは距離を取ることもできるから好ましい。

端的に言って彼女は聞くのが上手い。

僕の知的好奇心に適度に応えてくれるのでこちらとしては快適なことこの上ない。

試合に夢中になるに連れて僕は、必然的に彼女にも夢中になっていくのである。


この日は残念ながらロッテは負けた。だから彼女と一緒に盛り上がることはできなかった。けれど彼女と一緒に盛り下がることができた。

これですよ、これ!

独りで座っているだけでは絶対できないことなんだから。

だからと言って独りで『座っている』の基本スタイルを疎かにしてはならない。

常に基本に立ち返る、いや、座り返るのである。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』第3回 熊谷有芳と行く久しぶりの野球観戦。(前編)

先日は熊谷有芳さんと一緒にプロ野球の試合を観に行って参りました。

場所はZOZOマリンスタジアム、対戦カードはロッテ対楽天です。

こう書くと球場名から球団名まで企業の名前で溢れていることに気づきます。

わたしにとっては久方ぶりの野球観戦です。覚えている限りでわたしが最後に球場を訪れたのは2003年の甲子園球場での阪神戦なので14年ぶりとなります。

ちなみに甲子園の名前の由来を知っていますか?

『甲』田の『子』どもが建てたから?ノンノン。

甲子は『こうし』と読みますが『きのえね』とも読みます。『ね』はよく知られているあの十二支です。『きのえ』の部分は十干(じっかん)と言います。

十干十二支。ともに中国から伝えられたもののようです(その辺はあまり詳しくない)。

十干は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・ 癸。
甲乙丙まではよく聞かれた方もおられるでしょう。これに十二支を組み合わせて暦を表します。
甲子、乙丑、丙寅、丁卯…と続き一回りするのが60年。これが還暦です。

十干十二支は近世や近代の古文書を読む際には必須で自分も史学科に在籍していたから覚えたようなもの。

そして球場名の由来ですが、1924年、甲子の年に完成したから甲子園という名がついた、というわけです。1924年が甲子ということは1984年も甲子、次に迎えるのが2044年ということになりますね。

その頃には『こうし』と『きのえね』はさぞかし大きくなっているんだろうなぁ…。

兄の子どもたち。
『シュワッチ!』

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

 

熊谷氏と海浜幕張駅で落ち合い、いざZOZOマリンスタジアムへと向かいます。

スタジアムへの道のりは非常にキレイ。開発されてから日も大分経つであろう幕張新都心ですが、その駅周辺、海辺へと続く道はまだまだ非常にキレイです。

スタジアムへの道のりをキレイと自分が考えてしまうのはやはりどこか別の道のりを思い出し比較しているからかもしれません。

それは先に紹介した『球場』、阪神甲子園球場でしょう。

阪神電車の甲子園駅の改札を出れば徒歩5分程でしょうか、すぐに球場に行き着きます。海浜幕張駅からスタジアムへの距離に比べれば全く近い。

改札を出ればまず目に付くのが転売禁止の看板。しかしそれを超えるダフ屋の方々。違法の臭いに混じってワンカップ片手に酒の臭いもプンプン漂ってきます。非常にキッタナイ道のりです。

行きもキッタナイが帰りもこれまた非常に非常にキッタナイ。

阪神が勝てば、至る所でお祭り騒ぎ、こっちのお祭りがあっちのお祭りと意気投合すればそこはもうアナーキー、それは駅の臨時改札口から果ては大阪の梅田駅まで続くわけだ。ある種の暴動とさえ言える。
阪神ファンもキッタナイが大阪という街もこれまたキッタナイところだと思う。
新刊『ホサナ』を著した町田康さんが読売新聞の取材にこのように答えている。

「僕は、大阪の『ミックス文化』の中で育った。金持ちと貧乏人、面白さと悲しさが区別されず、悲劇と喜劇の『混ぜ合わせ丼』のような世界です。人間は悲惨になるほど、同時におかしみも生まれてくる。それらを整理せず、そのまま全体を書きたい欲求がある」

阪神甲子園球場は兵庫県に位置しておりますし阪神ファンと大阪の話は少し違っているのかもしれない。けれどなんとなくわかる一文です。わたくしの育った街もおそらくこのような世界だったのです。

約14年間の野球観戦のブランクはいろいろなことを考えさせてくれる。

まず気になったのが試合前の国歌斉唱。

記憶を頼りに書くのは自分のポリシーに反するが、14年前は果たして行われていたのだろうか甚だ疑問です。

ネットの情報を頼りにすると、開幕戦だけ行っているだとか、セ・リーグは連戦の初戦だけとか、パ・リーグは毎試合あるとか、信頼に足る正確な情報をいまいち掴めません。

自分が知りたいところは…、(14年前と変わっているところがもしあるならば)

『いつ』行われるようになったのか?
『なぜ』行われるようになったのか?
『誰が』行うように決めたのか?

研究に値しますが、どこから探ればよいものか…。

と、悩んでおりましたら『日本KWB野球連盟』という団体の公式サイトに行き着いた。
団体の『志田会長ごあいさつ』を見てみよう。

「少年たちを引率し世界大会に参加したとき、強い衝撃を受けました。
日本を代表して参加しているのに、開会式で少年たちは国歌も歌えない、遊びの延長のようできちっとしない。 それにひきかえ他国の少年たちは、整列し高らかに国歌を歌い、国を代表して参加する誇りがあふれている。

私はこのとき「日本の少年たちに何かが欠けている」「これは日本の将来にかかわる大きな問題だ・・・」「これでは日本はダメになってしまう・・・」という強烈な危機感を抱いたのです。

しかし日本の少年たちも、いざ野球のプレーでは、言葉は通じなくても、野球のルールのもとで他国の少年たちに見劣りすることなく、堂々と真剣にプレーをしていました。
このとき私は感動するとともに、ルールをしっかり身につければ少年たちは力一杯プレーできるのだと思いました。
家庭でも、学校でも、地域でも、「ルールを尊重する精神」を教えていけば、野球によって少年たちを育成することができると確信しました。

それだけではありません。
野球で培われる「リーダーシップ」「協調性」「勇気」「努力の大切さ」「友情のすばらしさ」「感謝の心」・・これらは、社会に出てから全て必要なことです。

指導者の皆さん。親や地域の方々とともに、この国の未来を担う少年たちが野球を通じて立派な大人になれるよう、育成していただくことを切に願っております。

末筆ではございますが、いつもご後援をいただいております文部科学省をはじめとした各社団体、また、当連盟を陰で支えて下さっている応援団の会の皆さん、 大会にご協力・ご協賛いただいている全ての方々に、心より感謝申し上げます。」

いきなり国歌云々と書いてある。しかし「日本を代表して」とか「国を代表して」とか書いてあるのでこれは代表戦のことで国内でのプロ野球はまた別なのか…。
調べて気が付きましたが志田会長ってあのカラオケで有名なSHIDAXの創業者なんですね。

そしてさらに調べて、この志田さんが会長を務める日本KWB野球連盟ですがどのようなポジションに位置しているのかを『日本の野球団体図』(公益財団法人 日本野球連盟のページより)で見てみる。と、プロ野球より大分下部組織になりますので影響を与えることはないのかなと…。

しかし、この『日本の野球団体図』ってすごいな。日本の野球界の複雑なこと。まあ野球に限らずかもしれないが。

そしてプロ野球の団体は『日本野球機構(NPB)』だというところまで遂に行き着いた。

けれどこちらのページには「国歌」の言葉は見当たらない。

その代わりにこんなリンクを見つけた。

日本野球機構オフィシャルソング

こっちの歌は歌ってないのになあ…。

そう簡単にはわからない。謎は深まるばかりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

甲田守の『根こそぎ掘りデー』第2回 鴻陵生という蛮族がいる?(後編)

モリッシーを聴いています。
なんで洋楽なんて聴いているのだろう。「なんて」というところに自分の洋楽に対するスタンスが見えます。

高校の時分、国際教養科という特殊な学科に私は在籍していた。周りには洋楽にハマっている輩が其処彼処にいたものだ。英語が不得手だったはずの私がこのような国際を冠する、英語の授業に重きを置く科に進学するとは今振り返ってもはてなが浮かぶ。それはその高校の自由な校風に憧れたからかもしれない。さて、その授業内容がどのようなものだったかというと、まずは時間割を見れば英語英語英語と2/3は英語が占める、と言ったら言い過ぎかもしれないが言い過ぎじゃないかもしれない。日本語禁止、つまり英語だけで行われるそんな授業も存在した。最初の10分間はペンギンブックスのリーディングを各自が行い、その後に小さな紙が配られる。言語はもちろん英語でPlease answer the following   questions.とかそんなことが書かれてある。もちろん、なんのこっちゃ???となる。さらにT/Fとある。これが本当に最初は何を意味しているのか全く分からなかった。True or Falseの略で要は○か×かで答えなさいという正誤問題をやらされてた訳だ。当てられた際にはどうせ二択だしと適当に答えてみる。正解ならRight.となるが、もし間違っているようなら地獄のWhy do you think so?が来る。答えに理由なぞない。が流石に山勘とは言えない。山勘という意味の英語も知らない。そしてteacherとの気まずい時間が永遠のように流れるわけだ。

マアこんな話はどうでも良くて要は洋楽にはとんと疎いというただそれだけ。ブレイディみかこ著『いまモリッシーを聴くということ』から引用してモリッシーの話は終わります。それでは参りましょうか。甲田守の『根こそぎ掘りデー』スタートです。

「モテと非モテ、リア充とオタク、人間と動物、クールとアンクール、ノーマルとアブノーマル、金持ちと貧乏人。これらの対立軸で、モリッシーは常に後者の側に立っていた。
一般的に前者より「下」だと見なされる後者の場所が彼の立脚点だ。これほど執拗に、一貫して「下」であることについて歌ってきた英国のポップ・スターは他にいない。
もはや「右」対「左」の時代ではない。「上」対「下」の時代だ。とわたしは昨年出た本に書いたのだったが、いま、ほんとうに世界が「上」と「下」の分裂を起こしているとすれば、その下側の声(貧乏な者、ダサい者、ダメな者、勝てない者、取り残された者)を代弁しているアーティストはどこにいるのだろう?
ポピュラー・ミュージックは、いつの間にか下側との親和性が非常に薄い音楽になってやしないだろうか。」


甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

コアラさんとの掘りデーは柴又帝釈天を抜けましてようやく川へと辿り着きます。そうです、これがかの有名な江戸川ですね。ここが東京都と千葉県の県境となっております。目指すところは千葉県立国府台高校であるからしてここを渡らなければ目的地には着きません。

川に一艘の船が浮かんでいるのが見えます。ここは『野菊の墓』で有名な矢切の渡しです。本日は船を使っての登校を試みようとそのように思っております。と、その前に江戸川の河川敷にてお昼休憩を取ることにしました。

コアラさんお手製の特製ちらし寿司です。彩り豊かですね。非常に美味でした。ではいざ船着き場の方へ。

少し見辛いですが注意書きがありました。片道大人200円と非常に安いです。時刻表はありませんので気長に待つことにしましょう。そして遂に乗船です。

写真を何枚か載せてみましたが、この気持ち良さは是非一度体験してほしいなと思います。最後の着岸の際は電動に切り替えますが、そこまでは船頭さんは手漕ぎです。風も強くてなかなかのスリルも味わうことができました。10〜15分ほどで向こう岸に着きます。東京から千葉へ渡ってまた東京に戻るというのが一般的な乗客ルートだそうですが(というのも船頭さん曰く千葉側にはなにもなく、いやなにもないわけではないんですが、野菊の墓文学碑とかありますし、ただ最寄り駅は遠い)私たちはそのまま千葉への道を進みます。

さて、ここから国府台高校の道のりはというと結構な距離がある。ただ、自分は、歩く、喋る、とても好き、なので苦にはならないのである。

船上からも見えていたタワーマンションが大分近づいてきました。本八幡の方角でしょうか。こちらには釣り人が何人かいらっしゃいます。江戸川は随分蛇行しておりますね。

国府台高校に到着しました。『野菊の墓』の聖地が矢切の渡しならば、ここ国府台高校は『ナイゲン』の聖地と言えるでしょう。京成線国府台駅からなら徒歩10〜15分ほどでしょうか。本日辿った京成金町線柴又駅からの聖地巡礼コースもお薦めですよ。所要時間は約2時間ですが。

ナイゲンとは…。

屁理屈シチュエーションコメディ劇団・アガリスクエンターテイメントが上演する、高校の文化祭の代表者会議を舞台にした会議コメディ。
メンバーの母校でもある千葉県立国府台高校に実在する会議をモデルにしている。
会議に不慣れな高校生が文化祭の発表内容について話し合い、1クラスを落選審査する泥仕合をコメディとして描きつつ、「自治」「話し合い」の意義を問う青春群像劇。

「アガリスクエンターテイメントが上演する」と入っているので少し古い定義かもしれませんね。

ナイゲンとは…。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』第2回 鴻陵生という蛮族がいる?(中編)

引っ越し作業に追われています。というのも今現在住んでいるアパートが近く取り壊しの憂き目にあうからです。総戸数4戸の小さきわがアパートですが今や暮らしているのは私一人となりました。今やというかもうずっとですね。8年間暮らしたこの家ともとうとうお別れかと思うと寂しさもひとしおです。しかし、おちおちゆっくりもしていられない。住むところがなくなるというのは結構ハードな問題なのだ。転居先はどこにしようかと考えていた矢先、同じ職場で働くエバラさんが良き物件を見つけてくれたからこれはまたラッキーなことだった(「こりゃ、困った」「こりゃこりゃ、どうしたものか」とお経のようにぶつぶつ唱えておれば人間様がいつかは助けてくれるものですぞ、と悠然と構えている私は馬鹿か、はたまた…)。
エバラさんとは…。根こそぎ掘りデーには初登場ですがネコソギにとってこれほど重要なパーソンを今更かと思うほどで、大変遅きに失しました。エバラさんが見つけてくれた物件と申しましたが、事を正確に順に追っていきますと、エバラさんと昵懇の仲であるカンベさんにまずは話がいったそうな。これこれこういう貧乏な人が路頭に迷いそうなのでどうにかならないかねえ云々と。カンベさんという方はどうやらただ者ではなくなんとクリーニング屋の社長、近隣の不動産屋とも古くからの繋がりがあるというからこれ幸い、トントン拍子に話が進み格安の掘り出し物が 私のところに転がり込んで来たというわけだ。ただ、ここまでの経緯を当初は全く私の耳には入っておらず話は内々に進んでいたわけで、はじめの第一歩が「明日、〇〇不動産に来てください」とエバラさん伝いにきたからこりゃ驚いた。もちろんこの時点で社長との面識はありません。で、まあなんやかんやあってほぼ決まりそうな段階に現在来ております。内見等の詳しい話はまた後日にでも。
今は引っ越し準備の真っ最中ではございますが、とりあえず言えることとしては、以前より衣装合わせなどの際にネコソギの服はゴミだゴミだ、と口が酸っぱくなるぐらい劇団員の皆さんから罵られていたのですが、当のネコソギには、いつまで経ってもはてそうですかと柳に風、しかしいざことが及んでようやく気づいたネコソギくん、服どころかあなたの家にあるものは9割9分がゴミであったという真実に。遅かった、全てが遅かった…。

さてエバラさんについて話を戻しますと、本当に私はこのお方には良くしていただいておりまして、つい先日もご相伴にあずかりましてご自宅へお邪魔することに。「娘の友達のダンテが今イタリアから来ているの」。こんな感じで誘ってくださることはしばしばで、ご飯を自宅のアパート階段下へとそっと置いてくださることもしばしば、衣食住における食の部分を大きくエバラさんに依存しているわけであります。そして今回は住にまでいたる。しくしくしく…。残された衣についてですが、これは劇団関係に援助していただいております云々。なんてったって私の服はゴミだから、しくしく。
戻りまして食の話はダンテくんのお手製料理でございます。ペペロンチーノに生ハム、合わせるお酒はもちろんワインです。昼間っから私もついついお酒が進みまして、エバラさんも勧めるからとは人のせいにはできませんが、「自分は学生の頃にフレンチレストランでgarçonをやってまして…」と慣れないRの発音を痰をからませるがごとく調子に乗ればダンテもS’il vous plaitと来たからにはオープナーを手に持てコルクをポンともう一本。ダンテくん曰く、イタリアの人はワインを水のように飲む、というぐらいにワインが大好物。「水はオシッコしか出さないけどねえ、お酒からは色んなものが出てくる。それはクリエイティブなことだったり、はたまたロマンスだったりね。」との言は英語を解さない私の創造的翻訳が多分に加味されておりますがそこはどうかお許しいただきたい。お酒から出てきたクリエイティブな翻訳ということで。
昼餐はひどく盛り上がり後に控える劇団員との映画鑑賞の予定をついつい忘れそうになる程です。走って走って劇団員とは無事に合流するも当然のことながら会話はいつにも増して饒舌となり、そのままの酩酊状態で映画を鑑賞することとなる。しかし、それにも拘らず普段と変わらぬ様子を繕い大人しく鑑賞することができたのだ。我ながらあの日の自分を今もって改めて褒めたいと思います。文章を書くときは素面で参りましょうか、甲田守の『根こそぎ掘りデー』スタートです!

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?
休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

お酒の失敗を犯すのは私なぞの常人にはどだい無理な話で、あっ、いや、そもそも無理な話で、しかしこれが蛮族となれば話は別だ(そして閣議決定の件は凡人どころか愚鈍と言える)。
さて前回から続く連れ合いコアラさんもまたお酒が大好きで根こそぎ掘りデーに出かけた後数日経たないうちに二人で飲みに行く機会を設けることとなった。『ピアニストという蛮族がいる』という中村紘子さんの著作を証明するかのようにこの日ともにしたピアニストはまさかまさかの蛮族と成り果ててしまったのである。
ちなみにこちらの著作に登場するピアニストはクラシックが主である。ここで本は変わりまして奥泉光著す『ビビビ・ビ・バップ』に目を通せば暴れ回るはフォギーなるジャズピアニスト。ジャンルは違えどピアニストであることに変わりはない。これまた「蛮族」なのか世界が危機に瀕しているにもかかわらず常に楽観的な彼女の姿勢は物語の最後まで揺らぐことはない、いや常に揺らぎっぱなしかな。ときは未来、アンドロイドは登場するわ架空空間は作り出されるわな世界でジャズピアニストでありつつ生計は音響設計士という職業で成り立たせている主人公フォギーがあれよあれよと大企業に巻き込まれ世界は破滅の一途を辿って行くのであった。語り手は猫のドルフィー。モダンジャズに造詣が深いものならば、ああエリック・ドルフィーが由来ね、と即座に頭に思い浮かべるのかもしれないが、私などの音楽的素養を持ち合わせていないバカたれにとってはなんのこっちゃとなるわけだが、それでも楽しめるエンターテイメント性溢れる一冊です、と今回もネコソギの推薦図書をここにあげておきましょう。
ジャズもクラシックも流れていない店内に代わりに響くはコアラさんによる罵声、根こそぎ掘りデーの内容に対する酷評の嵐に次ぐ嵐に次ぐ嵐に次ぐ嵐。店内での蛮行は敢えて略して(笹塚は十号坂を下った先を少し逸れるとその店はある、店主が言うように一見さんは入りにくい居酒屋かもしれないが駅からの帰り道に一杯と夜遅くまで常連さんが続々と訪れるそんなお店です。お酒は特に焼酎を豊富に取り揃えており試飲も可。ロックでもグラスになみなみと注いでくれる、しかしこれがいけなかったか…)。
帰り道を詳述しますと、コアラさん、店を飛び出すなり自宅とは異なるあさっての方角へと突然駆け出した。夜も更けてもう日も変わろうとしている頃でありましたのであさってというよりはあすの方が適切か。と冷静を装い耽っているのも私も相当にお酒の影響を受けているためか。追って即座に手を捕まえた。「おっ、なかなかチカラが強いねぇ」とコアラさん。いや、そうでもないんですが…(力比べはえなみTVに譲るとして、あっ、くじで引いて弾いてみたもヨロシクどうぞ)。ユキエナミよりはコアラさん、どうやら力がないようだ(コアラさん<コウダ=ユキエナミ)。引っ張って引っ張って家までは残すところわずか300メートル、ゴールは目前かとのそのとき、コアラのヒールが脱げた。仕方がなく靴を優先して拾いに行く甲田、と、その隙をついて一目散に再びあさってに向かうコアラ、それも奇声を発して(コアラって速いし奇声を発するんですね…)。蛮族を超えたのか最早それは狂人の域に達している。そう簡単に諦めるわけにはいかない、追え、追うんだー!捕獲が完了しピンポーンとインターフォンを鳴らす頃には当然ながら日を跨いでいる。ふぅ〜、一件落着、と思いきや目を離した隙に三度ダダダッと階段を駆け下りるコアラ。「待てー!コォォアラー!コォォラアー!しばくぞー!」と普段は温厚で定評のある私もそのときはついに怒声を発したのでありました。ガチャッとドアが開く音が耳を捉えパートナーが出てくる段となりようやく甲田も平静を取り戻します。あとは配偶者に任せて万事解決、飼育員は家へ帰ることに致しましょう。と、思い返して怒声を発している場合ではござらん、柴又から発しますの続きをば。

柴又駅に到着し、目指すは千葉県立国府台高等学校。こちらはいまだ東京都でございますからまだまだ道のりは長そうです。せめてもの思いで帝釈天まで歩を進めることと致しましょう。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』第2回  鴻陵生という蛮族がいる?(前編)

幸田延という方をご存知でしょうか。読み方は「こうだのぶ」。姓の字は違えど音は同じだけあって感心が湧きます。実はこの方、日本で初めてのピアニスト。兄はなんと文学で名を馳せたかの有名な幸田露伴というから驚いた。驚いたと言っても著した作品はなんなのさ、と問われれば口ごもってしまうのでとりあえずは『五重塔』と言っておけばオールオッケー!そしてすっとこんな脇道へと逸れてみる。幸田露伴と言えばふと思い出すのが私の母と父が交際していた頃のエピソード。当時、父は母の実家にしばしば電話をかけた(30年以上も前のことなので当然個人が携帯電話など持っておりません)。すると母に代わって妹がよく電話にでたそうな。彼女が母へと電話を取り次ぐ際、口にする言葉は決まって、「露伴ちゃんから電話だよ〜。」と茶化しが入ったという…、まあ本当にどうでもいい話…。

さて話は冒頭に戻ってこのピアニストの幸田延さん。私が知るきっかけとなったのはある一冊の本との出会いでした。それが『ピアニストという蛮族がいる』という中村紘子さんの著作です。多くの方が何となくではありますが、ある程度の共通認識をピアニストに対してお持ちかと思われます。それはピアニストというのは幼少の頃から毎日何時間もピアノに向かい、血の滲むような鍛錬を重ねてようやくなれるそんな職業だと。著者はこれらピアニストをある種族に例えてこのように説きます。「時にこの私自身をも含めてこのピアニストという種族について、気取っていえば神話的感慨、社会的公正を期していうならば、洗練された現代の人間とはまこと異質な、言ってみれば古代の蛮族の営みでも見るみたいな不思議な感慨、を、或る感動と哄笑と共に催すことがある。」と。ある特定の職業(著者は種族に例えるが)それを指して蛮族と一括りに見做してしまうのはあまりに軽率で乱暴ではないか。著者のこのような姿勢にはのっけから反感を覚えるところがなかったとは言えない私であります。しかしどうだろう、ページを繰るうちに当初私が抱いていた反発は徐々に解かれ、ピアニストのお歴々の蛮族ぶりが明らかになるにつけ私の無知も顕になる次第で誠に恥ずかしかったことこの上ない。著者は過去のピアニスト各個人に対する該博な知識もさることながら、その筆致には魅せられるものがあります。頻繁に余談へと飛ぶところもこれまた読ませる面白さ。ホロヴィッツやラフマニノフ、日本においては先に述べた幸田延や久野久らが登場する。簡単な言葉になるがピアノ界の巨匠らの波瀾万丈な人生を垣間見れる珠玉の一冊だった。著者の中村紘子さんは残念ながら昨年鬼籍に入られました。しかし、良くも悪くも「蛮族」という種族はしぶとく強く絶滅することはありません。中村紘子先生を師と仰ぐものは、言葉は悪いですが、この世にまだまだウジャウジャと存在しているのもこれまた事実。だって蛮族なんだから。今回はそんな一人を連れ立って出かけたこの企画、それでは参りましょうか、甲田守の『根こそぎ掘りデー』スタートです!

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?
休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

前置きが長くなりましたが、さてその中村紘子先生に師事していた一人というのが、現在偶然私と職場をともにするコアラさん。彼女はピアノの先生を本業にする傍ら、空いた時間を有効に使おうと考え、今の職場で私と出会ったわけであります。私はなぜ彼女を誘ったのか。同じ職場で同じ年齢なおかつ親しい間柄ということもありますが、その近くしくなれた理由というのが彼女が鴻陵生だっというのも大きく関係していると言えるでしょう。鴻陵生…。千葉県立国府台高校に通う生徒のことを「鴻陵生」と呼びます。その由来は以下の通り。

『国府台高校の生徒は「国府台生」とは呼ばれず、「鴻陵生(こうりょうせい)」と呼ばれる。また文化祭のことを「鴻陵祭(こうりょうさい)」とよんでいる。古くは「鴻の台」(「鴻之台」)と書かれることもあり、コウノトリにちなんだ地名伝説に由来すると言われる。この「鴻」に台地を意味する「陵」を組み合わせて「鴻陵」となった。』(Wikipediaより引用)

千葉県立国府台高校。アガリスクエンターテイメントを語る上で欠かすことのできない重要なキーワードの一つです。いや、最も重要とも言える。しかしやはり、その高校があったからこそのアガリスク、というよりはそこに通った人間がいたからこそのアガリスク、というように「人間」を出発点にして私は考えていきたい。アガリスクエンターテイメントとはそんな鴻陵生たちが主体となって立ち上げた団体です(時期的には卒業してからなので元鴻陵生たちがと言った方が正確かもしれませんね…)。アガリスクエンターテイメントの原点をほじくり返そうと当初は企図していたのですが、結果的にそう上手くはいかなかった。歴史というのは複雑なもので謙虚な姿勢で相対したとしても一筋縄では決していかないものなのだ。私は大学ではmajor in historyしていた人間であります。だから難しくも過去を学ぶのが滅法好きなのです。ここまで述べてしまっては今回の行き先をバラしているようなものですが、国府台高校への登校パターンにも色々あるのではないかと私はふと考えた。近隣からなら自転車で、遠方からなら京成線、松戸の方ならバスですか。しかし、私は鴻陵生ではありませんでしたし国府台高校を知ったのも大学に入ってからで旗揚げのルートではありません。国府台からのアガリスクではなく、アガリスクからの国府台でありましたから。くどくどと話し立てても仕方ありません。出発地へと向かいましょう。

ところで寅さんって知ってます?よもやここで冒頭の話題に戻るとは思いもしらなんだが、私を初めて寅さんを観に劇場へ連れて行ってくれたのがかの露伴ちゃんでした。大阪は阿倍野にある場末の映画館、昼間っから大人たちが酒を飲み交わす、そんな商店街の裏路地に位置していたように思うが記憶違いか。とうの昔に廃館となったその場所からふっと空を見上げれば天高く聳え立つのは、あべのハルカス…。そうここは阿倍野区なのだ。私は鴻陵生ではなかった、住高生だった。思い出した!私はこの阿倍野区にある大阪府立住吉高校に通っていたのだ!しかしそこは今回目指すべきところではないのでいつかのそのときまでそっと胸の内にしまっておこう。話は露伴ちゃんとの映画鑑賞へと後戻り。『男はつらいよ 寅次郎紅の花』、シリーズ48作目、それが寅さん最後の作品、渥美清さんの遺作になろうとはまさかまさかでした。露伴ちゃんと私はこの『男はつらいよ』が大好きで露伴ちゃんに至っては全巻ビデオボックスを購入するほどです。しかしその後すぐにDVDが主流に…。ああ悲しき露伴ちゃん、あのかさばるビデオ群はいったいいづこへ…。

柴又から発します。

3/30 甲田守の『根こそぎ掘りデー 』第4/4回  I ,Yuki Enami.

  ぐるぐるぐる、ぐるぐるぐる、今ふたりは迷っています。代々木公園を後にし次なる目的地へと向かう道中。前を歩くは女の子、一歩下がって男の子、果たしてどこに行くのやら。ふたりのデートは後半戦に突入です。

  ちょっといい化粧品を買いに。彼女の提案で向かう先はLUSHというお店。  しかし、なかなか、なかなか目指す場所には着きません。携帯を片手に先導する榎並氏。どんどんどんどん路地裏へと入っていきます。道に迷ったのは明らか、甲田も手を貸しましょうか、いやいや大丈夫ですよと榎並氏。ふたりでうろちょろしております。

  ひとりだったらこんな風に迷うこともないのになぁ、ひとりだったらLUSHに行くこともないのになぁ。ひとりだったら…。それがふたりだったら…?ふたりだったら道に迷うことも『できる』。ふたりだったらLUSHに行くことも『できる』。それがふたりと言うものか…。

  道に迷ったそんなふたりですが何とかお店に辿り着くことができました。

早速店員に尋ねられる榎並氏。

  前もって購入したい商品の目星をある程度付けていたようです。色々と説明を受けるうちにカウンセリングへと発展。榎並氏の目的に適った化粧品を選ぶことに。ご一緒にどうぞ、と甲田も勧められるままに着席します。

なにか手につけられる榎並氏。

  お客さんが周りを取り囲む中、店員を含めた私たち3人だけが座ってカウンセリングを受けています。

「どんな肌になりたいですか?」「普段はどんな手入れをしていますか?」

  ムムムッ。こんなプライバシーに関わることを横から盗み聞きしていいものか。すっと立ち上がってその場を離れようかとも思いましたがなんかそれも違うなと。特に助言を与えることなんてできないけれど聞くぐらいのことならできる。榎並氏の世界にそっと入り込んでふたりで決めるのも悪くないな、なんて。

  店員さんも懇切丁寧に対応してくださり、ふたりで色々な化粧品を試してみることになりました。

手を洗ってもらうふたり。

  最終的に提案してくださった商品は当初希望していたものとは違ったものの本人も納得の上購入することに決めました。

「ひとりだったらこんな風に店員に話しかけられてもカウンセリングなんて断っていたと思うなぁ。」

  榎並氏のそんな発言をついつい卑屈に捉え、めんどくさいことに巻き込んでしまってゴメンねと甲田。  けれどどうやらそういった意味ではなく感謝の意を込めて言ってくれたようです。道に迷うこともありますがふたりはそれだけではありません。

  買い物も一段落しましたので少し休憩でも取りましょうか。喫茶店にでも入ろうと今度は甲田が先に立って歩きます。表参道からまたまた裏路地の方へと入っていきます。しかし何を忖度しているのでしょうか。なかなかお店が決まりません。優柔不断。ひとりだったらそんなさまは特に問題ではないでしょうが今回は違います。横に歩くパートナーが痺れを切らしているのがヒシヒシと伝わってきます。だってさっきから同じところをグルグル回っているのですから。結局、榎並氏の決断に任せることとなりました。

ピリピリした状態から笑顔を取り戻した榎並氏。

「私の方がガッツリ食べてますねえ(笑)」

  ガッツリ食べるのは男の子、少食なのは女の子、とそんな一般論があるのかはわかりませんが、今日のふたりはそれとは全く真逆でした。決断力の鈍さに空腹も加わっていたからなのか(そこに気づかないのもある種の鈍感さだと言えましょう)一時は危うい雰囲気も漂っていたふたりでしたがご飯を食べながらの会話がまたふたりを穏やかな関係へと誘ったようです。

  当初の予定より長くつらつらと書き連ねてしまいましたが今回のふたりはここまでと致します。どうもありがとうございました。次回の根こそぎ掘りデーは来月の更新を予定しております。どうぞお楽しみに。

おまけのクンクン榎並氏。

  

  

3/19 甲田守の『根こそぎ掘りデー 』 第3/4もしくは3/3回 わてどす。榎並どす。べっぴんさんになりたいんでおま!

  わてどす。榎並どす。なんやえらいけったいなとこ連れて来られましてからに、ここは一体どこでっしゃろ?なんやサイクリングいうんおますか。ほなわて後ろ乗りますさかい、あんさんは前に乗っておくれやす。なんやそんな急かさんとちょいと辛抱しなはれ。あんさん大丈夫け?えらいフラフラしてるように見えはりますけど、わて心配になりますよってに。わてはな、不安定よりは安定、安心を最近は求めてるさかいに、はよう婚姻の契りも結びとうおもております。けれどなんやしりまへんが世の殿方が余りに頼りのうて、わては滅法不安どす。ぎょうさん殿方はんがわてのこと好いてくれとるみたいでそれはほんに嬉しいんどす。けど、なんでっしゃろ、わてのことほんまに大事にしてくれるんやろかって思うんどす。わてを一人の女性として対等な関係を築こうとしてくれてはります?尊重してくれてはります?わてにえろう辛い経験をさせるのはもうやめておくんなまし。わてはもう袖を濡らしとうないんどす。あんさんも最前からずっとこいどらんとわての話聞いてはりますのん?あれっ?あんさんあんさん、手ぇ離して何してはりますのん?ああぁぁーわて倒れるーーー!!!


  あんさん、なにしてけつかんねん!!わて、びっくりするがな!あんじょうこいでくれんと!えっ、なんやて?岸田國士戯曲賞を受賞したヨーロッパ企画の『来てけつかるべき新世界』のけつかるってこういう風に使うんやあ、ってゆうてる場合ちゃうで、あんさん!わてのこと尊重してってゆうてるそばからこの調子って、あんさん、わてのことなめとるな。写真撮るなら一言ゆうてくれんと。しかもあんさんあんさん、わてとかぶってますやん………。


おっ、わての顔ようやく写っとりますな。けど、なんやあんさんなにわろとんねん。なんやけったいな顔してほんま腹立つなぁ。あんさん、やっぱりわてのことなめとるな。よう考えたら、あんさん、わてを誘うんやったらデズニーやろ、デズニー!わてのことよう知っとるんやからそこんとこもっと考えてくれんと!しかもわての顔よう見てみ、マスクしてるやろ。あんさん、この公園花粉飛び散り放題でっせ。尊重してって何遍ゆわすねん、あんさん!えっ、なんやて?デズニーは、わてにとって、辛い思い出もあるやろうから避けた方がええんちゃうかなぁと思って、って何をゆわしてけつかんねん!しばき倒すぞあほぼけかす!あんさんには今度デズニー奢ってもらうからな!わては許さんど!デズニーも好きどすけどなんやかんやゆうてやっぱりわての好きな殿方はドロスどすなぁ。ドロスゆうんはアレキサンドロスのことどす。ボーカルの川上洋平はんは色気もあり申してなかなか男前どすえ。えっ、なんやて?あんさんと川上洋平はんの誕生日が一緒?あんさん、さっきからいちいちうるさいなぁ。そんな情報どうでもええねん!あんさんはこぐ、ほんでわての話を黙って聞いとったらええねん。なんやようさん喋っているうちに一周回って来たみたいどすな。あんさん、おおきに!一応やけど礼ゆっとくわ!ほな、これからはわての買い物付き合ってもらおか!えっ、どこ行くかって?なんであんさんにいちいちゆわなあかんねん。どつき回したろか、あほぼけかす!黙ってわての後ついてきたらええねん!ほな、行くで!

3/15 甲田守の『根こそぎ掘りデー  』第2/4もしくは2/3回  榎並夕起怒りのサイクリングロード。

  レポートの前に宣伝です。

本番1週間前となりました。是非とも観に来ていただきたい!どうぞ、どうぞよろしくお願い致します。下から下からへりくだる。

【チケット発売中】

時間移動SFコメディ、再起動!

『時をかける稽古場2.0』

《東京》2017年3月22日(水)〜3月28日(火)@駅前劇場

《京都》2017年4月4日(火)〜4月9日(日)@ KAIKA 

tokikake2.agarisk.com

それでは企画の方に参りましょうか。現在今企画は不定期更新となっておりますが更新日が決まり次第定期的に発表していこうと考えております。今後もどうぞ宜しくお願い致します。それではそれではお待ちかね、今回のパートナーの登場です。どうぞ。

榎並夕起さんが到着しましたーーー!!

  待ちに待った今回のパートナー、榎並夕起さんの登場です。早速私は本日の予定を彼女に大まかに説明することにしました。一応ですが少しは練ってきたのです。あくせくあくせく。すると彼女から思いがけない嬉しい提案が。

「買い物に付き合ってほしい!」

おおー、そうですか!?ではではと、一応自分の中で組まれていた当初のスケジュールを変更して後半は彼女に任せることに決めた。これぞ一人では起こりえないサプライ〜ズな現象だと甲田は思いましたね。パートナーとともに行動するからこその突然の展開です。そんなこんなでまずは甲田が考えていた目的地、代々木公園へと向かうことに致しましょう。今企画の記念すべき初ツーショットを原宿門前にてパシャリ。冒頭でご覧いただいている通りですが、なんか…なんか初々しさを感じますね。二人の間から門がくっきり丸見えです。風が、風が通り抜けていくー!写真を撮ることにより二人の距離が丸裸にされてしまいました。さてと、この隙間を合成で埋めることにするか。えっと、まずはこの加工アプリを使ってと………いやいや、そういうことじゃない!そうじゃないだろ、ネコソギくん!うわぁ、危なかったぁ、もう少しでまた暗闇に引きずり戻されるところだった。とりあえず写真で見る限りは立っている。そう、『立っている』じゃないか!『座っている』とは違う状態でいることに拍手を送ろうではないか、パチパチパチパチ。自分を少しでも褒めないとやっていけない面倒臭さである。では、頑張って門に入りましょうか。わかりました、やってみましょう!門を入って一歩二歩三歩。今、ネコソギさんは二人で歩いています。そう、『歩いている』のですよ!おおー!いける、いけるぞー!!自信が漲ってきたー!!漢字の変換もなんか難しい字に変換できてるしー!漲る漲る。

   一旦、一旦落ち着こう。閑話休題。

  その後、以外にも『歩いている』からの『話している』の移行はスムーズでした。二人の会話は途切れる事もなく、片方が話せば片方は聞き、片方が聞けば片方は話しと話題に事欠く事もありません。それは将来の話であったり今現在周りを取り巻く環境だったりと、漠然としていますがそんな話をしていました。なんとはなしにともに歩く二人。一人で歩くときとはなんだか違うぎこちなさを感じます。これは甲田の普段の歩幅なのか?はたまた榎並さんの普段の歩幅なのか?それともそれぞれが相手に合わせた歩幅なのか?もちろん歩幅について会話でいちいち決めるなんていうことはなされません。何となく自然と二人の歩幅は決まります。それが何とも面白い。ぎこちなかったり心地よかったり、二人の時間は進みます。あと曲がるのも結構難しくて上手くタイミングを計れず後から思えば道無き道を直進していたような気がします。そこが二人の道となる。『道』フェデリコ・フェリーニ。

  立つ、歩く、話すと様々な動作を覚えてきました。さてその次は何だ?自転車をこぐに挑戦だ。代々木公園にはサイクリングコースがあります。一周約1.8キロ。しかし自転車と言いましても一人でこぐのはあまり面白くない。どうせこぐなら二人でこごう!そう、タンデムです。果たして上手く進めるのか?何だか雲行きは怪しいような…。

  まさか榎並夕起怒りのサイクリングロードが始まろうとはこのときはまだ知る由もなかった。

榎並「ヒャッハー!」