甲田守の『根こそぎ掘りデー』第15回 鹿島ゆきこの好きなお店はおそらく四谷三丁目にある(定休日は月曜日)

今、わたしは、四谷三丁目駅にいます。生憎の悪天候でとても寒いです。雪が降っております。
先週はインフルエンザにかかってしまいましてまだまだ病み上がりです。防寒対策をしっかり調えまして、今、わたしは、鹿島ゆきこさんを探しております。
2日前のことです、観劇三昧下北沢店の1周年記念イベントで鹿島さんとお会いしましてこの『根こそぎ掘りデー』にお誘いしました。
速攻で断られました…。
残念でした…。
それもそのはず、明日空いていますかというお誘いはあまりに急だったのです。
反省です…。
しかしですよ、昨日のことです、鹿島さんから連絡が入りました、明日だったら時間空けられるよとのことです。
やりました、やりましたよ、わたくしは。
喜びは横に置いときまして早速ですが掘りデーポイントを選定しなければなりません。
嬉しい返事ではございましたが想定外のことでありましたのでわたくしはすぐさまネットサーフィンです。
公園の好きなわたくしは井の頭公園もしくは石神井公園が真っ先に頭に浮かびました。ですが天気予報があまりよろしくないのであります。
とりあえず吉祥寺辺りに絞って雨でも雪でも楽しめる掘りデープレイスを探してみたのですがこちらも何とも決まらない。
うーん、困った…。
自分の行きたい場所を自由気ままに考えていたのですが、ここは少し発想を変えまして、鹿島さんの行きたそうなところを考えてみることにしました。
そして決まったのが、ここ、四谷三丁目であります。
吉と出るか凶と出るかわかりませんが第一掘りデーエリアに行ってみたいと思います。
本人には四谷三丁目駅に来てくださいと言っているだけで他の情報は一切知らせておりません。
もしかしたらこの雪の中プロレス技をかけられることになるのかもしれません。
そのため、今、わたくしは、受け身の練習をしております。
こうきたらこうだな、そしてこっちからこうきたらこうしてと…、いや、待てよ、受け身ばかりではどうもおもしろくない。こちらから仕掛けるのも悪くはないな…。
そうこうしているうちにあのちんちくりんとばったり出会ってしまいました。
今宵、この四谷三丁目で血を見るのはあなたかもしれませんよ、鹿島さん。
それでは根こそぎ掘りデー行って参ります。

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甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

 

甲田守の『根こそぎ掘りデー』第14回 1年8組サッカー部の二人。

2017年の年末は高校の同級生ちょー君とともに彼の車で大阪へと帰省しました。
ちょー君とは高校1年のときに同じクラスに在籍しておりました。
そして学校の部活動も同じで二人ともがサッカー部に入部しました。
なのでちょー君と会えば必ずサッカー部での昔話に花が咲きます、と言いたいところではありますが、卒業してからというもの彼とは何度か顔を合わせておりますが、一度もそんな花が咲くことはありませんでした。意図的に私が咲かせなかったのです。
その理由は単純明快です。
ちょー君は引退するまでサッカー部に在籍しておりました。が対しまして私は1年の終わりにサッカー部を辞めてしまいました。そのために後ろめたさからか気まずさからか私からサッカー部の話題を持ち出すことは決してありませんでした。
しかし私は今回の帰省ドライブにあたり一つ心に決めておりました。これについて話そうと。
部を辞めたことなんて大した話ではないだろうとお思いになるかもしれませんが私にとってはこれは大きな挫折でした。
これを切り出すというのは自分の傷口を抉るようなものなのです。
部に限らず当時の自分は何に関しても途中で辞めるやつに対して冷ややかな目で見下しておりました。
それは中学でのバスケ部の経験からきているのだろうと思われます。
3年間やり遂げてしまった自分に対してまわりには結構な数の「途中で辞めるやつ」がいました。
そのような人たちを、根性無しだなあ、駄目な奴らだなあと自分は思っておりました。はっきりと見下しておりました。
そんな「根性無しな駄目な奴」に自分がなるなんてそのときはまさか思いもしませんでした。
高校に入って一年後、見下していたものに自分がなってしまったのです。
大きく転んだ私はそこから立ち上がるのに多くの時間を費やしました。
いや、今もって立ち上がれたのかどうか定かではありません。
そこから先ずっと転んで転んで転び続けているような気さえします。
ちょーくんとの対話は様々なことを思い起こさせてくれました。
先輩や練習メニュー、そして自分がサッカー部を辞めた理由について。
気づけば現在の思いを吐露しておりました。幾度となく頭では考えておりましたが言葉にして発する機会はありませんでした。
自分はまわりに比べてサッカーの技術が劣っていた、へたっぴだったのがとても苦しかったのです。それについて向上心がなかったわけではないのですがそれ以上にまわりに迷惑をかけていると思うことが何より辛かったのです。
同級生が先輩が自分にきつく当たったかと言えばそれはそうでもなかったと思います。
けれど私は内気で引っ込み思案な性格であります。練習でミスをすればどんどん縮こまっていくばかりでした。誰にも教えを請うことができませんでした。
16年経って漸く横に座るちょー君に聞くことができました。相談することができました。
「どうやったらボール遠くに蹴れるんやろ?」
時間はかかりましたが聞けて良かったなと思います。
転んでばかりの人生ですがそれも悪くないなとそう思います。
自分の場合、何事においてもとても時間がかかるのです、本当に。

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甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。