甲田守の『根こそぎ掘りデー』第13回 今年を振り返って。

2017年も残すところあと僅かとなりました。
今年の3月に急遽始まった『根こそぎ堀りデー』ですがコツコツと回を重ね13回に達することができました。
ご一緒に掘りデーしてくださった方々、読んでくださった方々へ、この場を借りてお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

さて、根こそぎ掘りデーでは今までにたくさんの方々と掘りデーして参りました。
ここで少しばかり今年を振り返ってみたいと思います。
まずは第1回から第12回までの掘りデーメンバーをご紹介致します。
それでは掘りデーメンバーのみなさーん、どうぞー!

第1回 榎並夕起
第2回 コアラさん
第3回 熊谷有芳
第4回 小野さん
第5回 南台ハイツ榎並夕起
第6回 マサユキ
第7回 塩原俊之
第8回 淺越岳人
第9回 姜ちゃんとそのパートナー
第10回 前田友里子
第11回 熊谷有芳
第12回 沈ゆうこ

以上が今年の掘りデーメンバーの皆さんです。
総勢10人と南台ハイツが一棟でした。
思い返せば色々と遊びに出掛けたもんだ。
それぞれの掘りデーがいま走馬灯のように駆け巡ります。
内気で引っ込み思案な自分がよくここまでの面子と掘りデーできたな、と我ながら感心します。
ですがよくよく考えると慣れ親しんだ方ばかりを誘っている感が否めなくどうも勝負していないな、とも。
と言うよりほとんど勝負していないことに気付く。
なぜなら自ら進んで誘った相手がどれほどかというとかなり限られてくるのだ。
概ねが相手に誘われての受動的掘りデーで占められているではないか。
能動的掘りデーはというと何とたったの二人、榎並夕起とコアラさんにしか当てはまらないのである。
うーん、かなりよろしくない。
パートナーに頼ってばかりで楽してるな、これは。
自分から発案する掘りデーの比率をもう少し上げなければならない。
能動的掘りデーが第1、2回のお二人だけだというのは企画のロケットスタートがそこで終息したことが見て取れる。
そして能動的掘りデーができる自分の交友関係の未熟さよ。
いや、能動的掘りデーは勇気と自信を持てば多くの方々に受け入れてもらえる類のものだ。
断られるのを恐れるでない。むしろ一度や二度、いや三度四度の能動的掘りデーの拒絶があってこの企画はようやくスタート地点に立ったと言えるのでないか。
そうだ、来年の目標はこれでいこう。
能動的掘りデーの拒絶、からの能動的掘りデー、からのからの三度能動的掘りデー。
相手に対して、おおう、何だこいつ、く、くるなぁと思わせるぐらいの積極的掘りデーを、いや、能動的掘りデーを繰り出すのである。
しかしながらここで受動的掘りデーも忘れてはならない。
こいつがいなければ根こそぎ堀りデーはもちろんのこと私はこの先やってはいけない。
たとえ相手が能動的掘りデー(つまり自分から見れば受動的掘りデー)を繰り出したとしてもだ。
そこからどう自分の能動的掘りデーをパートナーとの掘りデーに組み入れられるかが問題だ。
掘られたら掘り返さなければならない。
私は相手のそのような態度に敢然と立ち向かい、掘って掘って掘り返してやるのだ。
掘られ過ぎたあまり最終的には根こそぎにされた相手はもう二度と根こそぎ掘りデーに出演することはないだろう。
そのときがこの根こそぎ掘りデーの最終回に当たる…。
もう何を言っているのかわからないが「誘う」というのは自分の人生における大きな課題なのである。
「誘う」には一体どうすればいいか?
まずは言葉を発しなければならない。
第一声は何か?
「私と掘りデーしていただけませんか?」
うーん、とてもシンプル。
が、意思を示す、それが重要だ。

ネコソギが根こそぎにできるパートナーをいつかは見つけたいものである。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』第12回 沈ゆうこと必然。

2014年6月のことです。しむちゃんに連れられ私は初めてGUを訪れました。
『時をかける稽古場』で着用する衣装を買うためです。
初めてのGUに私は驚きを隠せませんでした。何と言ってもその安さにです。
しかししむちゃんは私と違い平然としております。
へっ、なにこいつ驚いてるの!?まさかGU来たの初めて?えっ?こいつやっべ、やっべ、えっ?こいつやっべ、と言わんばかりです。
けれどしむちゃんは優しいからそんなことは思っても一言も口には出しません。
こんなんどうですかネコソギはん?と懇切丁寧に衣装を提案してくれます。
ああ優しいしむちゃん。あのときはホントに泣けた。
稽古もうまくいってなかったのでとてもいい息抜きになったのです。
私にとっては忘れられない思い出なのです。

そしてそれから3年後の2017年11月のこと。
『新宿コントレックスVol.18』で使う衣装を探しに私は一人でGUを訪れました。
3年ぶり人生で2度目のGUです。
GUと言えばしむちゃん。やはりあのときの感動が頭を過るのです。
GUに向かう道中、私の頭の中はしむちゃんでいっぱいです。
もしかしたらしむちゃんに会えるのではないだろうか。いやそんな偶然あるわけないか。けど会えたらいいなあ。いや何とかしてしむちゃんに会いたいなあ。いや会いたいとかじゃなくてしむちゃんに会うなあ。これ絶対会うやつだわ。会う会う会う会う。しむしむしむしむ。
GUに着く頃には私の頭の中はしむちゃんになっていたのです。
おーい!しむちゃん、どこにいるんだー!私はここだよー!しむちゃーん!
店内に谺する私の思い。
ダメか。私の思いは届かないのか。
ああ残念だ。
もうとりあえずこれだけ買って今日は帰ろう。
と、レジに向かったそのときです。
後ろから誰かが私の肩をトントンと叩くのです。
まさかまさかのまさかです。
そこにはあのしむちゃんが。
ああ、思いって届くんだな。祈って良かったよ、ありがとう。ああ、また泣けるわ。

GUに行けばしむちゃんに会える。
またしむちゃんに会いたくなったらGUに行こう。
3度目のGUが楽しみです。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。
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甲田守の『根こそぎ掘りデー』第11回 熊谷有芳とイキウメ『散歩する侵略者』を観劇。

IMG_20171125_183325.jpg11月19日(日)、この日は熊谷有芳さんと一緒にシアタートラムへイキウメ『散歩する侵略者』を観に行きました。
塩原さんに薦められた舞台です。どうしても観に行きたいと思い駆けつけました。私たちは前売券を購入していなかったので当日券に賭けました。
千秋楽ということもあり劇場に着いた頃には長蛇の列ができていました。
無事に観られるかヒヤヒヤしましたが二人とも何とか当日券を手に入れることができました。
当日券は毎日出してくれたそうで劇団の配慮に感謝いたします。
シアタートラムに来たのは私は今回で2回目でした。初めて来たのはもう大分前になります。2009年の頃になります。
大人計画の『サッちゃんの明日』というお芝居を観ました。IMG_20171125_174325.jpgおもしろかったのでパンフレットも買いました。

話の筋はあまり詳しくは覚えていないのですが役者陣が強烈に印象に残りました。IMG_20171125_175320.jpg鈴木蘭々さん、松尾スズキさん、家納ジュンコさん、宮藤官九郎さん、星野源さん、皆川猿時さん、猫背椿さんと皆さんとてもおもしろい方々でした。
その中でも特に小松和重さんという方が自分は気になり、その後出演されている舞台を何度か観に行きました。

そして今回は2回目のシアタートラムでしたが、とてもおもしろかったです。観に来て良かったです。

『散歩する侵略者』については塩原さんからある程度の前知識を得ていました。

「ネコソギは『散歩する侵略者』の宇宙人みたいだな」とも言われたこともありました。けれども私なんて宇宙人には遠く遠く及ばない。観てそう思いました。

イキウメの役者さんは本当におもしろかった。私はとても好きになりました。

主人公の浜田信也さん。よかった。何がよかったかわからないですがよかったです。

二人目の宇宙人、天野はなさん。これまたよかった。好きです。

けれどもやっぱり私が一番ハマったのは三人目の宇宙人です。

大窪人衛さん。

笑うシーンでは全くないのですがこの方が出てくる度に私は笑ってしまいました。ゾクゾクします。

宇宙人役ではないですが盛隆二さんもとてもおもしろかった。実質一番笑いをとったのはこの方だと思います。概念を取られても一つも悲しませることなくこの方だけは大爆笑を誘うのです。滑稽な医師役です。

一言も挨拶することなく礼だけで終わる三度のカーテンコールはシンプルでとてもとてもカッコよかったです。

イキウメをとても好きになりましたのでまた次回も観に行きたいと思います。

ここからは個人的な変な感想。

自称フェミニストの私は「奥さん」という言葉を避け「パートナー」という言葉を日常的に使っているのですが、「ガイド」という言葉もなかなかおもしろいなあと。相手との対等を表す言葉ではないかもしれませんが…。

ちょっと使ってみよう。

『僕のガイドになってよ』

 

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』第10回 前田友里子のオールナイトニッポン(後編)

10月29日(日)。その日は前田友里子さんと一緒に『岡村隆史のオールナイトニッポン歌謡祭 in 横浜アリーナ2017』へと行って参りました。
本当にこの日は楽しかった。連れて行ってくれた前田さんには感謝しかありません。
楽しめた要因としては何よりもまず席がとても良かった。
横浜アリーナの収容人数は約1万7000人。
とてつもなくとてつもなく広い。
その中で私たちが座る席はなんと前から4列目、しかもセンターの位置でした。
ステージからの距離があまりに近すぎて、ここは小劇場かと思ったほどです。
抽選で当たったのだから単純に喜べばいいのですがなんだか申し訳ない気持ちにもなります。
他の席とこれで同じ値段とか本当にいいのかと。
それほどの席なのです。
そんなことを考えつつもやはり自分の楽しみが勝ってしまいました。
出演者の顔はばっちり見えますし声も届きます。
声も届くは言い過ぎだろと思われたかも知れませんがそれは嘘ではなく事実、前田さんの声は出演者に届きました。
次の出演者の準備のためaikoが場を繋いでいたときのことです。
aikoもどう間を持たせたらいいかと色々と喋っていたところに前田さんの声です。
「歌ってーー!!」
とアンコールを。
するとaikoがそれに応えたのです。
「少し背の高い〜あなたの耳に寄せたおでこ」
なんとアカペラで『カブトムシ』を歌い始めたaiko。
信じられないかもしれないですがこれはホントの話。
前田さんも凄いですがaikoという歌手も凄い。
こうやって一人一人の声にちゃんと耳を傾けてくれるのです。
本当に楽しそうに歌うaikoの姿は魅力に溢れておりました。
また、ヘビーリスナーとしては岡村さんとaikoの『ボーイフレンド』のデュエットは、
「生涯忘れることはないでしょう」

今回は少し短くなりました。
前田さんについてはまた日を改めて新たに掘りデーしてその魅力を存分に引き出したいと思います。
自分の腕のなさを恥じる。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』第10回 前田友里子のオールナイトニッポン(前編)

10月29日(日)。その日は前田友里子さんと一緒に『岡村隆史のオールナイトニッポン歌謡祭 in 横浜アリーナ2017』へと行って参りました。
今から遡ること23年、1994年に『ナインティナインのオールナイトニッポン』の放送が始まりました。2014年、20年もの間続いた番組は急遽矢部浩之が降板し終了。そこからパーソナリティーは一人となり『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』がスタートします。
歌謡祭はその番組の1周年を記念して開催され今年で3回目を迎えます。
岡村隆史が歌謡祭??
番組を聴いたことがない方からすれば全く意味わからん企画だと思います。いや聴いていても意味わかりません。
これは、ヘビーリスナーという「信者」のための「定期集会」なのです。うちわネタを楽しむしょうもないイベントなのです。
ただ、そのうちわがどのくらい集まるかと言いますと全国津々浦々から横浜アリーナに約1万2000人。
バカが多すぎる…。
という自分もその中の一人ではあるのですが…。
中学3年生のときです。当時は夜遅くまで受験勉強に勤しんでいたのでしょうか。父から不意に勧められたラジオにがっつりハマります。
水曜深夜は『aikoの@llnightnippon.com』、そして木曜日は前述したナインティナインに。
私のラジオはここから始まりました。
少し逸れてaikoの話に。
木曜は今も続いているわけですが水曜のaikoはいつ担当を終えたのか??ふと疑問が浮かびます。もちろん私はヘビーリスナーでしたので最終回を聴いた記憶はあります。しかしいつかは定かではない。
調べてみますとこの番組は「1999年11月17日から2003年3月26日まで放送されていたラジオ番組」(Wikipediaより引用)と出てくる。
ハッとなりました。というのもこの期間というのは私の人生のどん底期とほぼ一致していることに気付いたからです。
正確に申しますと私がこの番組を聴き始めたのが2000年12月頃、つまりは中学3年生の時分です。問題はこの頃ではなく翌年の2001年から2003年の3月、自分が高校に入学してから3年生に進級するまでのこの期間です。
どん底期…。
またまたハッとなりました。
このaikoの番組の最後の決まり文句を思い出したのです。
「笑うのが苦手な人、人ごみが苦手な人、会社が苦手な人、学校が苦手な人、明日も良い日でありますように」
会社が苦手な人を除く全てに当てはまっていたのである、当時の自分は。
深夜3時、明日も良い日でありますようにを聴いて床に就く私に良い日が訪れることはなかった。
学校に向かって自転車を漕ぐ私。今日こそは良い日に今日こそは良い日にと心の中で幾度となく呟くがいつの間にか針路は大きく外れていく。気づけば私はパチンコ屋の中にいた。

昼はパチンコ夜はバイト更けてラジオに辿り着く

生涯において忘れられない日々にそして糧になりましょう。

さて歌謡祭。
前田氏と合流しいざ横浜アリーナへ。
道中はラジオトークに花が咲きます。
歌謡祭はヘビーリスナーの定期集会であるわけですから当然のことながら前田氏もヘビーリスナーです(私が今までに出会ったヘビーリスナーは3人。1人は予備校で知り合った浪人生、2人目は大学でのお笑いサークルの後輩、そして3人目が前田氏です)。
まずはウォーミングアップでもと本日の出演者である鈴木健介さんについてのトークをさらいます。
「岡村さん芸大受験での失敗」と「バイト先のコンビニに元カノ現る」は欠かすことはできませんのでとりあえず押さえておきます。
今日はやはりグッドファーザーも来ているのだろうか?希望も何もないも!?オーシャンも!?ウォォォォッッーー!!!
どうでしょう、これがヘビーリスナーです。気持ち悪いでしょう??
さすがに気持ち悪いは前田氏に悪いので私が一手に引き受けることと致します。
そうこうしているうちに会場が見えてまいりました。
驚くばかりの人、人、人!
全国からかなりの数のヘビーリスナーが集まっているようです。
ラジオの力恐るべしです。
私はコンサートやフェスの類にはそれほど行った経験がありませんでしたので横浜アリーナのあまりの広さにまずは圧倒されました。
そして恥ずかしながら横浜アリーナを屋外施設だと思っていた私は悪天に備えてばっちり雨具を用意しておりました。その日は台風が近づいておりましたので暴風雨に晒されながら見るのを覚悟していたのであります。
1万数千人を収容できるこの会場は3階席まであります。抽選で良い席が当たったと予め聞いてはおりましたが前田氏が用意してくれたチケットはなんと1階席でした。
ビールを飲みきらないと客席には入られないようなので私が先に行って席を探すことに。
前田氏は開演前にガソリン補給です。
あれっ?そう言えば自分は飲まないで相方だけがビールのパターンはどこかであったような…。
そうだ!ゆかちんだー!
詳しくはコチラをどうぞ。
1階席といいましてもかなりの席数です。座席番号をチケットと照らし合わせて探しているのですがなかなか見当たらない。
あった!ここか!
ふと見上げるとステージが目の前に。
ここは1万数千人を収容できる横浜アリーナのはずです。しかし私たちは信じられないことに新宿シアター・ミラクルに迷い込んだようです。
前田氏も席に着きちょうどいい頃合い。
定刻開演です。
「おっかむら!」
「おっかむら!」
「おっかむら!」
「おっかむら!」
続きます。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』第9回 姜ちゃんとそのパートナー(甲田守の関西弁講座)

「方言指導の甲田さんです。」
「よろしくお願いします。」
たくさんの人達の中で紹介されるのは気恥ずかしいものです。
『方言指導』の初日は飯田橋のとある飲食店から始まりました。
前の撮影が押しており集合時刻は20時半に変更、現地に到着すると周辺には何台もの車両が停車しておりました。店内では色々と準備が始まっているようです。私は制作スタッフとの挨拶を済ませ用意が整うまでバスでの待機を命じられます。私が方言指導を行う役者さんはどうやらまだ現場には来られていないようです。
本日撮影するのは全部で2シーン。出演者2人がお店に入るまでが1つと店内でが1つ。お店の中では店員役もいらっしゃいますので出演する役者は合わせて3人ですがシーンのメインは2人です。
1人は私が担当する平沼さんでもう1人が成海さん。数日の間ですが『方言指導』はこのお二方の共演を追っていくことになります。
事前に手渡されていた台本を車内にて復習していたところ平沼さんが現場に到着したようです。いよいよ『方言指導』が始まります。
自己紹介も兼ねまして平沼さんには私の実力を包み隠さず披瀝することにしました。というのも初めての『方言指導』は幾分不安だったからであります。自分には方言指導の経験がないということ、大阪出身ではありますが2005年からは千葉に移住したためそこからは関西弁のアップデートがされておらずバージョンがやや古めだということを正直に打ち明けました。
平沼さんは関西弁に対して真摯でした。そして私を信じてくれました。上に述べたことは方言指導に自信がない私のエクスキューズが含まれている、私はもっと自信を持ってもいいのです、そう思わせるには十分なほど平沼さんは私を信頼してくれたのであります。みっちり細かく丁寧に関西弁の方言指導を行っていきます。
撮影の序盤はやはり関係性が上記のようには成り立っておりませんでしたので上手くいかない箇所も散見されましたが終わりにかけては良い状態を築き上げることができたのではないかと思っております。
さて、関西弁についてですが、私は今まで関西出身ではない方が関西弁を話すのはほぼ不可能だと思っておりました。映画やテレビドラマ、漫画についても関西弁は多くが誇張されて使われています。意図的ならまだしもおそらくそうではないものが大半でしょう。確かに一朝一夕で身につくものではないですが、完璧とはいかないまでもあるポイントさえ押さえればそこそこの『関西人』になれるのではないか。今回の経験を通して私はそう思うようになりました。
先にも述べましたが狙ってるなり意識的ならまだしも無意識に誇張された関西弁が創作物で目につきます。
私が思うに創作中の『関西人』が無理に関西弁だけを使う必要はないと思うのです。ときに関西弁を使い、ときに標準語も使う。そうすれば、はい簡単『関西人』の一丁上がりです。
まずいのはチャンポンした(?)『似非関西弁』を使うことです。これは実際に存在する関西人が使うことはまずあり得ない、と私は思います。なので使ったら瞬時に関西人にそれがバレます。バレるならまだしも萎えることもしばしばです。
要は関西弁は使うなら使う、使わないなら使わないとキッチリした使い分けが大事なのです。ワンセンテンスに混ぜ込まなければ大丈夫!
とは書いてみたもののはてさて的を射ているのか…。門外漢の戯言に過ぎないのではないか…。
いずれにせよこの『似非関西弁』さえ外せばもうあなたは『関西人』!
えっ?それができたら苦労しないって?
まあまあそう仰らずに。
品詞のアクセントを一つ一つ丁寧に押さえていけばそれは容易に防げるはず。千里の道も一歩からです。
さて実際に指導に当たるわけですが果たしてどのように行えばよいのか。
関西弁に限らず指導自体の経験に乏しい私はそこにまず戸惑いました。(上で述べた関西弁についてのうんたらかんたらは全てを終えてからの感想でありますので順序が相前後しますがそこはどうかお許しいただきたい。)
まずは役者さんに該当箇所を読んでいただき徐々に徐々に細かいところを修正していきます。間違っているであろう部分を私が読み直し、あとから倣って読んでいただくことにしました。
初めから一発でできるところもあれば何度読んでもなかなかできないところがでてくる。
この差は関西出身の私からすればわからないところですが、そして一般的に標準語を使う方全てに当てはまるのかもわかりませんが、どうやら難所が存在するようで指導する側としてはやり甲斐があって興味深いです。
関西弁や方言についてはマイノリティの視点等を交えてまだまだ語りたいところではありますが(もちろんこの撮影についてもですが)今回はこんなところで筆を擱くことに致します。
そして次回のテーマはズバリこちら!
『地方のフタ〜躍動する関西弁、方言としての地図、その変遷〜』です。
どうぞご期待ください。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

 

甲田守の『根こそぎ掘りデー』第9回 姜ちゃんとそのパートナー。

「こ〜だくぅ〜ん、いまなにしてんのぉ〜〜」
高校から何一つ変わっていない彼女の喋り方に僕は驚きを隠せませんでした。
姜ちゃんはみんなからはよく『天然』と呼ばれていました。
おっとりとしていてのんびり屋、間延びしたその口調はふわふわふわふわゆ〜らゆら、まるで空を飛んでいるかのようです。
「あのなぁ〜、うちのダンナがなぁ〜、なんか〜関西弁しゃべれる人さがしとってぇ〜、こ〜だくん演劇やってんねんやんなぁ〜、なんかやってくれへんかなぁ〜とおもってぇ〜連絡してみてんけど〜」
「ええよ」
「ええ〜ほんまに〜ありがと〜、こ〜だくんほんまひさしぶりやなぁ〜こ〜だくんいまなにやってんの〜〜??」
「演劇」
「ああそうなんやぁ〜演劇やってんねやぁ〜うちのだんなもなんかそういうかんけいやからこ〜だくんに連絡してんけどああそうなんやぁ〜演劇やってんねやぁ〜、ええ〜こ〜だくんいまどこにおんの〜」
「東京」
「ああそうなんやぁ〜とうきょうなんやぁ〜うちのだんなまだ帰ってきてへんねんごめんなぁ〜ほんまこ〜だくんひさしぶりやなぁ〜ええ〜こ〜だくんいまなにやってんの〜」
「演劇」
「ああそうなんやぁ〜えんげきやってんねや〜ほんまひさしぶりやなぁ〜あのなぁ〜…………」
おっとり美人の姜ちゃんは今は空港で働いているそうだ。地に足はしっかりとついている…。
姜ちゃんのパートナーは映画の専門学校へ通っていたとの情報は風の便りで聞いている。
ドラマの撮影にあたって関西弁の方言指導をできるものはいないか?
そこに白羽の矢が立ったのが私?で果たしていいのか…。
打ち合わせは『そして怒濤の伏線回収』の休演日である9月19日に行われました。わたくしの家で。
午前11時、脚本を携えて姜ちゃんのパートナーがわが家に到着です。
「今回は急な依頼にもかかわらず引き受けて下さりどうもありがとうございます。では早速ですが台本を読みましょうか。」
前日にデータを送って頂いておりましたので該当箇所はしっかりと予習済みです。
読みと同時に音声も録りました。
「さすが!やっぱりいいですね!」
褒められる。嬉しい。
ので調子にのる。
「ここは『いい』より『ええ』のほうがええですな。」
初対面なのにいきなり脚本へのダメ出し、そしてそれが受け入れられる柔軟さ。打ち合わせ後はご飯までご馳走になる好待遇です。
現場では私は一体どのような立場に置かれるのでしょうか。行ってみなければわかりませんね。とりあえず自宅で練習しておこう。
「それちゃうちゃうちゃうん?」
「ちゃうちゃう、ちゃうちゃうちゃうって。」
「いやちゃうちゃうちゃうゆわれてもちゃうちゃうやろ?」
「ちゃうちゃうちゃうちゃう、ちゃうちゃうちゃうってゆうてるやん。」

うん、オレめちゃめちゃイケてるやん!
ほな気張って行こかと。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』第8回 淺越岳人と行く電器屋。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

淺越岳人と電器屋さんへ行ってきました。劇場入りしてからパソコンとプロジェクターを繋ぐ変換ケーブルが急遽必要となり買い出しに出掛けることとなりました。当初は彼が一人で行く予定だったのですが嬉しいことに手持ち無沙汰の私を彼が誘ってくれたのです。私が一緒に行ったところで正直言って何も役に立たない。求められているものが何なのか私にはさっぱりだからです。にもかかわらず私を誘ってくれました。
淺越岳人と私は大学の同級生です。付き合いはかれこれ12年近くになりましょうか。初対面ではどのような挨拶を交わしたのだろう。全くもって覚えていません。映画サークルを通じて知り合ったのですが映画の話題について意気投合したかと言えばそうではなく、共通の話題で盛り上がったのかと言えばこれまたそうではなく、じゃあなんとなく馬が合ったんだねと問われればまたまた答えに窮します。それでも彼と私の間には12年の歳月が流れている。電器屋にはまだまだ着く気配すらない。彼との付き合いは長くなりそうだ。
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甲田守の『根こそぎ掘りデー』第7回 塩原さんとタコ焼き

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。

先日はアガリスクエンターテイメントの前田友里子さんが出演する舞台『おやすみ また 明日 愛してるよ』を観に行ってきました。終演後、劇場を後にしようとしたところ、ふと横を見るとアガリスクエンターテイメントの塩原俊之さんと目が合いました。どうやら同じ回を見に来ていたようです。一言ぐらい挨拶すべきでしたが気づかぬふりをしてそそくさと帰ってしまいました。知り合いが出演している舞台はすぐ帰りたくなるのが私です。出演者とはあまり顔を合わせたくないのです。というのも感想等を聞かれても何と答えていいのかまごつきますし、そもそも観劇中はうつらうつらすることも多くまともに見ておりません。今回も例に漏れずタイトルのように『おやすみ』状態が無きにしもあらず。私は真っ暗になるとすぐ寝てしまいます。そして明かりがつけば目が覚めて一目散に帰る、というわけです。帰路の途中、そんな私に塩原さんからの連絡が入ります。お茶でもしないか、とのことでしたが既にその時自宅付近にいましたので断ることにしました。いつもだったらそれで終わるのですが何を思ったのか塩原さんを家に招いてみようと思いました。それが結果的にとても良かった。新しい家に引っ越ししてからはほんの少しですが自信を持つことができるようになりました。塩原さんの提案により家でタコ焼きを作ることになりました。まずは材料の買い出しに向かいます。塩原さんはやはり手慣れたもので私の家にないものを尋ねながらテキパキと買い物をこなします。調味料などの足りないものは自宅から調達までしてくれまして本当に助かりました。私の家に着きまして早速調理に取り掛かります。基本的には塩原さんに任せれば何とかなると高をくくっていた私です。いつの間にか雑然としていたテーブル上の本などをきれいに片付けてくれております。こっちで材料切るからそっちは粉つくっといて、と塩原さんは指示も適確です。どんどん切ってくれる塩原さんですがその食材を入れる食器が我が家にはあまり数がないことに気づきます。なんとか見つけた食器ですが何とも汚い。私は必死で洗いましたがそれでもそこそこ汚い。そして塩原さんを驚かせたことは私の家には洗剤がなく石鹸もなく全てを水だけで洗っているということです。塩原さんは笑いながら不承不承ですが食器を使用することに納得してくれた様子です。塩原さんと一緒に料理するのが楽しかったからか私はキッチンで作業しつつ何かあればいちいち塩原さんに話しかけます。うるせーなで笑って返してくれる塩原さんですがここでつと思います。今はギリギリ笑ってくれますがこれも程度が過ぎればいつ怒りに変わるかわかりません。アガリスクエンターテイメントの場でも私の振る舞いは笑いになることがありますがこれも同じく怒りとは常に隣り合わせとよく思います。一回こっきりの共同作業だから笑いにもなりますがこれが常時となるとどうなるかは容易に想像できます。果てしなく怒られてばかりのケンカが続くのでしょう。それを考えると自分にはパートナーを持つのは程遠いなと少し落胆します。隣の部屋では塩原さんが刃こぼれの激しいギザギザ包丁で食材を切っております。まるでノコギリのようだな、と塩原さん。切り替えましてタコ焼き作りに勤しみます。塩原さんは自宅からソースやマヨネーズ、さらには漬け込んだチーズまで持ってきて下さりこれがタコ焼きと非常に合います。ちょっとした工夫で料理はひとあじもふたあじも美味しくなります。大阪出身の私ですが塩原さんの方が遥かにタコ焼きについて知っています。タコ焼きのみならず最近はよく大阪に行かれるようでその地理についても詳しい。塩原さんの訪れるところは地元の人も驚きのディープなところが多いです。造幣局の桜の通り抜けなどの季節限定のところも訪れています。塩原さんは目の付け所がいいと私は思いました。そして大阪について自身でつぶさに見た目で肯定的に評価してくれるところがとても嬉しい。私は大阪出身者ながら大阪について否定的に捉えることが多いのですがなんだかんだ大阪のことが好きなのかこうやって塩原さんにいいふうに言ってもらえるととても嬉しくなります。大阪にとどまらず塩原さんの批評はとても肯定的で良いところを見つけてくれます。映画や演劇、漫画などについても塩原さんの語りは聞いていて面白いです。このようなジャンルももちろん詳しいのですがさらに塩原さんは野球を中心とするスポーツにも詳しく、さらにさらにバイクや車、地図にも詳しいところが私の興味と合いまして話も盛り上がります。私が最近原付に乗るようになったからか漸く塩原さんのフィールドに入り込むことができるようになりました。バイクもそうなのですが私は道が好きなのでこれについて話すのはとても楽しい。おそらく塩原さんは東京千葉のみならず高速道路にのって全国あちこちに出かけているのでいつかはこの辺の話にもついていけたらいいなと思います。途中からは前田さんも参入し三人で銭湯へ行きました。前田さんとのホリデーはまた後日に譲ることにします。

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甲田守の『根こそぎ掘りデー』第6回 同級生マサユキと。

先日は高校の同級生マサユキと久しぶりに会いました。どうやら大阪から東京へと遊びに来たようです。前日の夜に連絡が入りました。

『こうだ、明日の夜って空いてる?空いてたら飲みに行かん?』

高校の同級生は僕のことをもちろんのことながらネコソギとは呼ばず多くはこうだと呼びます。

前日連絡はマサユキにしたら早い方で基本的には当日に来ます。実にマサユキらしいです。

それでは行って来ます。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。



マサユキとは2年3年のときに同じクラスでした。当時はそこまで仲が良かったかというとどうなのでしょうか。3年の途中から浪人時代にかけてよく遊ぶようになったかなという印象です。

第一印象はあまりよろしくなかった…。1年のとき、クラスは違えど体育の授業は隣のクラスということで一緒に受けていたため目にすることはありました。ある日のこと、体育の授業が始まる前の休み時間に男子の何人かが前宙をしていました。僕はもちろんそんなことはできないですし輪にも入れないため皮肉な目で奴らを見ておりました。このクソ馬鹿どもが!アホちゃうか調子にのりやがって!

高校の時分、僕は病んでいた。

「高校のときって青春だったよねー!」「高校生にまた戻りたいよねー!」

はぁ?黙れこのクソ野郎どもがー!こちとら青春なんかこれっぽっちもなかったんじゃー!

なのでそのような話には全くもって賛同できない。

というのは言い過ぎで話は休憩時間の柔道場へと戻る。

それは突然の出来事だった。前宙に興じていたクソ野郎どもがザワザワと騒ぎ出したのである。

どうやら誰かがケガをしたようだ。僕の呪詛が効いてしまったのか。ハッハッハッ!

「大丈夫かマサユキー!」「これ早く病院行かなヤバイでー!」「先生呼ぼー!」

呪詛が効きすぎたのかマサユキなる人物は前歯が数本折れてしまったようだ。これからは呪詛を控えることにしよう。

1年の春、マサユキとの出会い編終了。続く。

3年の春、体育祭の季節。

堕ちるところまで堕ちたジュソソギこと甲田に復活の兆しが現れる。

1年2年と特に体育祭に深く関わってはいなかったのだが3年になり周りからの勧めで応援団に入ることになる。

応援団??ウチの高校では応援はダンスで行う。カッコいいダンスとカッコいい手作りの衣装。学年の縦割りで構成される応援団は3年にもなれば後輩からもてはやされる。

これでオレもクソ野郎どもの仲間入りってなわけか。ケッ!

そうは問屋が卸さない。お前がそんな一朝一夕で応援団に馴染めようか。ダンスをそう易々と覚えることができようか。キャリアがないお前には到底無理と言えよう。

黙々と練習、黙々と練習。応援団の練習は昼休みは学校の渡り廊下で夜は公園でと連日連夜行われる。

午後10時過ぎ、今日も練習が終わった。さて帰ることとしよう。

「こうだ!帰り道こっちやろ、一緒に帰ろや!」

来た。クソ野郎が。

一人で帰らせろや、このクソ野郎が。

ここで声をかけてきたのは後に甲田が加入することになるフットサルチーム『ONACK』のキャプテン、コロッケである。

10年後、このクソ野郎の結婚披露パーティーの司会を務めることになろうとは、このときの甲田は知る由もなかった。続く。