甲田守の『根こそぎ掘りデー』第5回 南台ハイツ死ね2 最後の来訪者

世田谷区民になりました。

大阪市平野区(0〜19歳)、千葉市稲毛区(19〜23歳)、東京都中野区(23〜32歳)、東京都世田谷区(32〜?歳)。

住む家が変わると何だか色々と自分も変わります。と思います。

自分でも信じられないことに今の引越した家には多くの人を招いております。暮らしてから未だ1ヶ月も経っていないにもかかわらずです。

稲毛区〜中野区で過ごした約12年もの間に家に人を呼べたことがありましょうか。全くないとは言いませんがその人数は合わせてもこの1ヶ月に及ぶかどうか。

相変わらず風呂はないですしみすぼらしい我が家です。が、変な自信がついたのです。かもしれません。

まずは引越しを手伝ってもらったのがやはり良かった。

大阪から千葉に引越してきたときは親元を離れる初めての一人暮らしだったわけですから部屋を決めたのも父と一緒にでした。けれど引越し作業は千葉の新居で一人で行ったように記憶しています。

そして大学を卒業してからの2度目の引越し。これが本当によろしくなかった。と、8年前の出来事を今更に反省です。

アガリスクエンターテイメントの方々や大学の友人知人にも一言も発さず、誰にも別れの挨拶なく独りで東京へと向かったのです。

引越しを手伝ってもらうのに8年かかりました。

本当のところ8年経っても何も変わらず当初は全ての工程を一人で行う予定でした。自動車免許は持っているもののペーパードライバーのため運転には自信がありません。なので台車を使って運ぶという荒技です。そこまで遠くはないので何往復かすればなんとかなるだろうと。

しかし難敵が現れた。冷蔵庫です。どうしても独りでは2階から降ろすことができない。困った。本当に困った。

そこで登場していただいたのがユキ劇団員。彼女を頼った。

17時過ぎ、ユキ劇団員が笹塚に到着。マエダ劇団員からもらったというオーバーオール姿。作業するにはうってつけの服装である。

コウダは独りで引越し作業中だったため遅れて笹塚で合流する。とりあえず駅前にある図書館へと予約していた本を取りに行く。もちろんユキ劇団員にも来てもらった。

本日の工程をユキ劇団員に説明する。

1.冷蔵庫を南台ハイツ202から降ろす。
2.冷蔵庫を新居まで台車を使って運ぶ(約30分の道のり)
3.冷蔵庫を新居の2階に上げる。

以上となります。

それでは早速南台ハイツに向かいましょうか。

笹塚から歩くこと10分、東京都中野区南台4-65-7南台ハイツに到着です。

ユキ劇団員は沢山の荷物を抱えていたため、一旦南台ハイツに荷物を置くことにしました。

さてこの冷蔵庫どう降ろしたらいいものか。

ユキ劇団員と作戦を練ります。

うーん…………。

試しに二人で持ち上げてみるがどうも上手くいかない。

一段ずつ着実に降ろすことにしました。

ドスン!ドスン!ドスン!ドスン!

降りるごとに南台ハイツに激しい音が響き渡ります。

降りるというかもうほぼ「落としている」という感覚です。

これをスーパーマリオのキャラクターから取ってドッスン方式と名付けましょう。

地上へと降ろしてふと階段を振り返るともう踏み板がボロボロ。ひびとか入ってるんだなこれが。

まあ取り壊しになるからいっか。いやいいのかこれで…。

新居に向かいましょう!

台車に載せてスーイスイ、これは大した作業ではありません。ただ道のりは30分と結構長い。

一人で運ぶとそこそこの時間を感じましたが今回はユキ劇団員と話しながらの道中だったのであっという間でした。

新居に到着。

またもドッスン方式でいくのか。しかし新居は南台ハイツと違って多くの方が住んでいる。いや、住んでいるいないの問題ではなく僕だけでもドッスン方式はまずいが…。

だが僕たちにはドッスン方式しか手はないのだ。

「落とす」とは違い、上げるときにはそこまでの負荷が階段にかかることはなかった。そうだ、ドッスンも上に戻るときはゆっくりではないか。

やりました。無事に冷蔵庫を運びきることができました。ユキ劇団員お疲れ様です。

作業が一段落しましたので新居にて休憩を取ることにしました。

ようやく座ることが出来ます。「座っている」はやはり落ち着くものです。そして体育座りに限ります。

ムムムッ!?しかしどうも収まりがよくない。なぜだ?普段とは違う気配を感じる。

ふと横を見ると私より遥かに熟達した「座っている」がそこにはいた。

足を開いて寛いでいやがる…。

お主、やるな!

ワシが長年かけて習得した「座っている」を一つ上の段階へと持っていきやがった。これではワシの立つ瀬がないではないかー。なので座る。

けれども座ってばかりもいられない。

緊急『根こそぎ掘りデー』スタートです。

甲田守の『根こそぎ掘りデー』とは…?

休日の行動スタイルが基本的に「座っている」で有名なネコソギこと甲田守がホリデーに誰かを誘っては「座っている」からの脱却を図るという、知的かつ高尚な難解プログラミング企画………ではなく単純に誰かを誘って遊びに出かけるという、ただそれだけの企画である。隔週月曜更新を予定。


「ユキちゃん、ホタル観にいこう。」